読書

高橋源一郎『さよならクリストファー・ロビン』

高橋源一郎著『さよならクリストファー・ロビン』(新潮社、2012年)を読了。この単行本には、全部で6つの短編小説が収録されている。 その中の一つ、「峠の我が家」という短編を私はとても面白く読むことができた。 この短編の中では、私たちが幼き頃に個人的…

よしもとばななの小説『王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法』の中に、次のような文章が登場する。 「笑った顔がもう一回見たい。順番に服を脱ぐところとそれをたたむとことがあと一回でいいから見たい、泣いたところさえ見たいけれど、泣いてい…

麻痺

舞城王太郎『世界は密室でできている。』を読了した。舞城の本を読むのは2冊目なのだが(1冊目は『煙か土か食い物』)、 良いところは見つけやすい。例えば、文体のスピード感は一つの良さといえるだろう。 そのスピード感はとりわけ心象描写にあらわれてい…